抜け毛が気になり始めたら | 育毛剤を購入する前に知ってほしい10の事実

AGA治療

「抜け毛=医薬品で治療」という認識がだいぶ浸透してきましたが、今でも抜け毛が気になり始めた人が一番に思い浮かべるのは「育毛剤」が多いようです。

そうなると、まずは「育毛剤」で検索して、勧められてる商品を試してみる人も多いでしょう。

でも、その前にAGA(男性型脱毛症)の基本や「育毛・広告業界の事情」みたいなことも知ってもらえたらと思います。

その上で、「自分に合ってそう」と育毛剤を手に取るのは全然いいと思います。

と言いつつ、正直、向いてない人の方が多いだろうし、そういう人に注意を促せればと思ってこの記事書いてます。

抜け毛・薄毛対策で育毛剤を購入する前に知ってほしい10の事実

数えたら11個ありましたが、キリがいいので見出しは10にしときます。

1. 薄毛はAGAという病気の一種ということ

育毛剤関連のサイトはまず一番大事なこの点をフワッとさせてるんですよね…。

薄毛に悩む大多数の男性はAGA(男性型脱毛症)で、AGAは脱毛ホルモン「DHT」が原因で引き起こされる一種の病気です。

そのため、一番の改善策は①そのDHTを抑制させること②血流や髪を作る毛母細胞を活性化させることです。

AGA治療では「フィナステリド(プロペシア)」が①、「ミノキシジルや注入治療」などが②の役割を担います。

育毛剤もこの2つの効果を持つ成分が配合されてますが、当然、効果の高さや信頼性は医薬品より劣ります。

2. 育毛剤と発毛剤の違いについて《育毛剤に髪を生やす効果はなし》

ハッキリ言うと育毛剤にほとんど発毛効果はありません。

でも、予備知識がない人が立派なWebサイトを見ると「生えそう!」と期待してしまうと思います。

塗り薬には育毛剤と発毛剤と種類があって、この2つは別物です。

育毛剤発毛剤
製品チャッチアップ、イクオス、フィンジア、ポリピュアリアップ、スカルプD メディカルミノキ、ロゲイン
種類医薬部外品、化粧品第一類医薬品
効果血行を促進したり、頭皮環境を整え、抜け毛を防ぐ発毛作用のあるミノキシジルを配合し、抜け毛を防ぎ、発毛を促す
副作用の可能性基本的になし可能性アリ

AGAクリニックでも処方してるミノキシジル(発毛剤)は唯一発毛効果が認められている成分になります。

育毛剤はあくまでも、「抜け毛予防、頭皮環境を整える、今ある髪の毛の成長促進」が主な効果です。

3. ミノキシジル発毛剤の副作用について

育毛剤サイトではよく「ミノキシジルの発毛剤(医薬品)はリスクが高い」と書かれてます。

発毛剤のリアップの臨床試験によると副作用の確率は約8%だそうです。
(湿疹2.0%、毛のう炎2.0%、接触皮膚炎2.0%など)。

でも、上記の通り、症状も確率も過度に心配するほどではありません。

育毛剤を勧めるサイトの中には、内服薬の副作用である「動悸やめまい、制欲減退」を誇張して、発毛剤も含めて「医薬品は副作用が怖い」と誤解を招くような書き方をしてるものがあります。

確かにリアップの注意事項には「動悸、めまい」が挙げられてますが、臨床試験でも認められてないようですし、実際見聞きしたこともありません。

※AGAクリニックでは内服薬を使用して問題ないか血液検査をしますが、発毛剤だけの場合は検査しません。

4. ミノキシジル発毛剤の費用について

育毛剤を勧めるサイトではコストも医薬品の方が高いように書かれてます。

これも予備知識がないとそんな気がしますよね。

確かに注入治療や植毛などを含めると医薬品や治療の方が高額です。

でも代表的な育毛剤と発毛剤(医薬品)を比べてみると、同じくらいかむしろ発毛剤の方が安いくらいです。

この点は別記事で詳しく比較してます。

5. 育毛剤を勧めるサイトが多い理由

「沢山の人が勧めてるから効果があるはず」と思う人も多いでしょう。

でも、多くの人が育毛剤を勧める理由は「購入されると広告収入が入るから」です。

特に公式サイトの広告経由で購入される育毛剤は報酬が高い傾向があります。

発毛剤もアマゾンなどショッピングサイト経由の広告収入がありますが、育毛剤と比べると全然低いんですよね。

育毛剤の報酬(公式サイト)数千円〜5千円
発毛剤の報酬(ショッピングサイト)購入金額の数%(数百円)

「効果が高い→沢山売れる→みんなが勧める」とは限らず、
「広告の報酬が高い→みんなが勧める→沢山売れる」という可能性も高いということです。

6. 育毛剤販売サイトや広告の内容について

育毛剤サイトの特徴を一言で言ってしまうと、
「『髪が生える』とは言えないけど、『髪が生えそうなイメージ』を印象付けようとしてるサイト」
と言えます。

こういう「手法」は育毛剤に限らないですし、これだけで悪質というわけでもないですけどね。

ただ、むやみにイメージに流されないためにも意識しておいた方がいいかと思います。

まず、有名人や有名キャラクターとタイアップしてるからと言って髪は生えません。

「満足度」や「継続率」がいくら高くても髪は生えないですし、何年連続でモンドセレクションを受賞してても髪は生えません。

抜け毛に本気で悩んでる人が、本当に知りたいのは正確なデータに基づいた「AGAの改善率」だけのはずです。

7. 育毛剤と発毛剤の売上について

育毛剤サイトでは「売上NO1!販売数〇〇本達成」みたいなコピーをよく見かけます。

なんとなく大人気みたいな印象を受けますが、実は主要な育毛剤5製品の売上の合計よりも、発毛剤のリアップシリーズの方が売れてます。

参考 大正製薬 2017年度通期決算説明会
参考 ウェブを中心に展開する「男性向け育毛剤」の売上高 2017年

売上高
発毛剤・リアップシリーズ165億円
育毛剤・5製品合計
(チャッチアップ、ポリピュアEX、ブブカ、イクオス、M-1育毛ミスト)
127.8億円

8. 毛髪診断士より医師に診てもらった方がメリットが大きいこと

育毛剤関連のサイトでは「毛髪診断士監修」や「毛髪診断士がサポート」といった言葉が踊ってます。

素朴に思うのが、「民間資格の毛髪診断士に相談するより、国家資格の医師に診察してもらった方が良い」ということ。

最近はAGAクリニックの数も増えて、無料でカウンセリングや頭髪検査をやってくれるところがほとんど。

それに薄毛対策を始める前に、まずは自分の抜け毛の原因、AGAなのかどうかを確認することが先決です。

そして、もしAGAだった場合、使うべきなのは予防重視の育毛剤より医薬品の発毛剤です。

9. 全額返金保障は「自信があるから」ではないこと

これはあえてケチをつけるものでもないですが。

よく「自信があるからもし効果がなければ全額返金保証付き」というアピールを見ますよね。

「返金を受け付けるほど絶対の自信があるんだ」と思うかもしれません。

でも、返金制度を設ける理由は単純に「トータルで見るとコスト増の負担より売上アップに繋がるから」です。※商品のジャンルにもよります。

返品・返金保証サービスを取り入れる企業って、なぜこんなにも多いのでしょうか?

サービスを導入するにあたって生じる返金や返品にかかるコストアップのリスクや苦情対応などのリスクよりも、売上に対する貢献度のほうが大きいということが一番の理由

なぜ返金保証サービスは企業で採用されるのか?購買における消費者のリスクとは

10. レビューが高評価でも効果があるとは限らないこと

サクラっぽいレビューは要注意ですが、内容もよく見ると「ん?」というのが少なくありません。

仮に本音の高評価レビューが多かったとしても、内容が

  • 使用感がいい
  • 匂いが気にならない
  • 長く使えそう
  • 買ったばかりで効果は分からないけど、期待を込めて星5

というのばかりだと意味ないですよね。

繰り返すと、本当に抜け毛で悩んでる人にとって重要なのは「抜け毛は止まるのか?髪は生えてくるのか?」だけです。

11. 育毛剤を勧める信頼できそうな個人ブログを見たことないという事実

私が薄毛関連の情報をチェックするようになってから長いですが、本当に今まで見た記憶がないくらいです。

ビフォーアフター画像や広告の有無に限らず、ちゃんと自分の言葉で自分の体験を書いてる文章って読めば大体分かりますよね。

AGA治療薬に関しては普通に「本当だろうな」って感じる個人ブログの成功例をよく見かけます。

数は少ないものの植毛、HARG療法、内服薬なしの発毛剤のみ、育毛サロンの体験談でも見かけます。

ただ、育毛剤メインで「効果があった、改善した」って個人ブログは見たことがありません。

薄毛で育毛剤を購入する前に知ってほしい10の事実|まとめ

もしかしたら、私が知らないだけで医薬品並みに効果の高い育毛剤もあるかもしれません。

ただ、育毛剤関連サイトは「あまりにも鵜呑みにできない情報が多すぎる」と感じます。

薄毛・抜け毛は対処が早いほど回復しやすいです。

特に生え際、M字部分は一旦ハゲると頭頂部より回復するのが難しいです。

そのため、抜け毛が気になり始めた初期段階こそ「とりあえず手軽な育毛剤」ではなく、より効果の高い方法で対処することが大事です。

別記事で経緯を書いてますが、私自身、対処がずるずる遅れてしまって後悔しているので…。

育毛剤を試す前に、本当に育毛剤がベストな選択肢か一歩立ち止まって考えるキッカケになればと思います。

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